湯布院美術館1階
象設計集団は私たちが建築設計の仕事を始めた頃からずっと、
強く興味を引かれ続けてきた人たちです.
名護市庁舎、今帰仁村中央公民館、宮代町進修館と笠原小学校.
作品ができるたびに建物の見学に足を運びました.
湯布院美術館1階_b0157497_13105298.jpg

その象が設計したのが湯布院美術館.
湯布院で亡くなった放浪の画家佐藤渓の作品を納める美術館です.
20年前にできた当初から、現在と同じたたずまいだったような気がします.
家内に言わせると「最初から破れてる感じ!」.
湯布院美術館1階_b0157497_13111866.jpg

象の作品は図面では表現できないし、理解できないたぐいのものです.
設計者自身がともに作り上げていって初めてできる身体感覚の強い建築です.
だから、建築のいたるところに、想いが込められ、居心地のよい場所があり、
時を経て、なつかしく心地よい記憶が積み重ねられる気がします..
湯布院美術館1階_b0157497_13115027.jpg

今回湯布院美術館を訪ねて、あらためてその構成の魅力に気づきました.
今帰仁や笠原小学校と同じく、中央にある空虚な空間をまず構想して、
そこに向かって、多様な居場所と動線が設えられています.
何もない芝生の広場を取り囲んで渦巻くように並べられる記憶.
何もない中心は何物をも排斥せず、強い求心力を発揮し続けています.
by yoshiaki_works | 2011-04-18 13:13 | 建築


<< 湯布院美術館2階 桜の小路 >>