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世界は
「世界は百万の邪悪な者と、一千万の愚か者と、一億の臆病者によって動かされている。
で、それ以外の者、つまり残りの私たち60億の人間もまた、ただ命じられたことを
やってるだけというわけだ!」

「真に邪悪な者は全世界でも百万しかいない。膨大な富をもつ者と絶大な権力を握る者。
彼らの決断だけが真の価値を持つ。その数はわずか百万だ。」

「それから愚か者とは—一千万人いるわけだが—邪悪な者が決めたルールを人々に強制
する兵士や警察官のことだ。十二の主要国の常備軍と、その主要国にさらに二十カ国を
加えた国々の警察機構に属する者たち。合計しても一千万人にしかならない。彼らは
何らかの権限を持っているか、重要な立場にいる。そして、往々にして勇敢だ。それは
確かだが、同時に愚かでもある。なぜなら命を捧げることで、その肉体を単なるチェスの
駒として利用する大義名分を政府に与えているからだ。長い眼でみれば、政府は常に彼ら
を裏切り、失望させ、見捨てているというのに。戦争の英雄ほど、国から敬意を払われず
に無視される存在もないよ。」

「そして、臆病者が一億いる。官僚、公務員、下っ端役人。彼らは邪悪な者の支配を許し、
見て見ぬふりをする。この部署のトップも、あの委員会の事務局長も、また別の協会の
会長もその一員だ。管理者であり、役人であり、市長であり、裁判所の職員である者たち。
彼らは自己弁護に余念がない。ただ命令に従っているだけで、自分の職分を果たしている
だけだと常に言い訳をする。個人的に恨みがあるわけではないが、自分がやらなければ、
結局、他のだれかがやることになるのだから、とね。彼ら一億の臆病者たちは何が起こっ
ているのか知っていても、声を上げようとしない。黙々と書類にサインしては、ある人間
を銃殺隊のまえに送り、百万の民を飢饉と言うゆるやかな死へ追いやっている。」

「シャンタラム」 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ
by yoshiaki_works | 2012-06-30 17:13 | | Comments(0)
ブーゲンビリア
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by yoshiaki_works | 2012-06-30 11:27 | 徒然 | Comments(0)
ひとてまの仕様
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「いろは」の床はカバの無垢材、内部の手摺や家具はホワイトアッシュを使っている。
外部木部バルコニーとデッキのセランカンバツは濃いキシラデコールを、
軒天と一部外壁にはヒノキ板張りに透明のキシラデコールを塗装している。
アルミサッシに入っているガラスはLow-eペアガラスで熱透過損失を押えている。
ガルバリウム鋼板の屋根下地には断熱材としてアイシネンを全面に吹き付けている。

設計時の予算配分は苦労するが、住宅としての基本性能はしっかり守っていきたい。
by yoshiaki_works | 2012-06-29 18:24 | 建築 | Comments(0)
家をつくるということ
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ひとてまプロジェクトの家、行橋の「こみち」と苅田の「いろは」が竣工しました。

ともに外壁[そとん壁]と内部壁天井全て漆喰塗りのやわらかくてあたたかい家です。

「こみち」の床はヒノキ、「いろは」はカバ。どちらも無垢の床材です。
同じ時期に出来上がった福岡市南区の「おはな」の床は木童さんのカラマツでした。
それぞれに独特の風合いの木の肌ですし、同じ樹種でも産地でずいぶん異なります。
巾木や枠等その他の材木もそれぞれの床材にあわせて、慎重に樹種を選定しました。

そして、「こみち」も「いろは」も「おはな」も木部の塗装工事は施主施工です。

床材の蜜蝋ワックス、デッキのセランカンバツと軒天のヒノキにはキシラデコール、
内部の家具や建具はオスモカラー。
時にはワークススタッフも混じって、監督さん指導のもとにせっせと塗装に励みました。

木の肌に塗料が染み込んでいくように、
住まい手の愛情が時間をかけて染み込んでいくような家づくりをしたいと思います。

そして、つくり手にとって引渡しのときは手がけた家が巣立っていくとき。
ひとつの仕事をしあげた達成感と、ともにつくる喜びを原動力に新しい仕事に向かってゆきます。
by yoshiaki_works | 2012-06-27 11:57 | 建築 | Comments(0)
長田弘さんの詩
中川たくまさんの日記で知った長田弘さんの詩

「イツカ、向コウデ」

人生は長いと、ずっと思っていた。
間違っていた。おどろくほど短かった。
きみは、そのことに気付いていたか?

なせばなると、ずっと思っていた。
間違っていた。なしとげたものなんかない。
きみは、そのことに気づいていたか?

わかってくれるはずと、思っていた。
間違っていた。誰も何もわかってくれない。
きみは、そのことに気づいていたか?

ほんとうは、新しい定義が必要だったのだ。
生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。
きみは、そのことに気づいていたか?

まっすぐに生きるべきだと、思っていた。
間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。
きみは、そのことに気づいていたか?

サヨウナラ、友ヨ、イツカ、向コウデ会オウ。

長田弘 詩集「死者の贈り物」より。
by yoshiaki_works | 2012-06-26 11:28 | | Comments(0)
いろは
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「いろは」の家は建て主さんの一枚のスケッチからはじまった。
一本の幹に房のような空間がまとわりついているイメージ。
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ユイさんが繊細に線を引いて、寸法を決め、
材料を選んで、色彩をコントロールした。
藤松さんが難しい各部の納まりをCADによる施工図で検討して仕上げた。
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左官のしんさんが足元の悪い見学会のあとの玄関ポーチを
サンダーでじっくりと研磨している。

つくり手のひとつひとつのひとてまが
家族のためのあたたかな空間をつくっていく。

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by yoshiaki_works | 2012-06-19 13:49 | 建築 | Comments(0)
おはな
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建築とは居心地のよい場所をつくること。
キッチンに立って、家族がくつろいでいる様子を眺める。
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和室に座ってデッキに落ちる雨音に耳を傾ける。
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明るい窓辺で時間が過ぎるのを忘れている。

建て主と設計者とつくり手たちが心を合わせて、
心地よい空間ができあがってゆく。
by yoshiaki_works | 2012-06-19 13:32 | 建築 | Comments(0)
改修工事
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40年程前にできた学生寮の改修工事の設計に取り組んでいます。
既存の建物の耐震診断を行い、耐震壁を付け替えて大幅に平面を変更し、
2層分の減築等の手法を使って、学生たちの新しい生活環境をつくります。

長い歴史を持つキャンパスは豊かな樹々に囲まれていて、新しい設計では
内外ともに不要な壁を取り払って、周辺の自然環境と学内活動に開放的な
透明感のある学生寮をつくりたいと設計チームは話し合っています。

設計を進める中で私たちが気づいたのは、建物を「刷新」するのではなく、
記憶の「継承」を大切にしたいということでした。既存の躯体を補強して、
その上に恣意的なデザインの衣装を着せのはおもしろくないと感じました。
棟の配置や構成などの大きなデザインから、小さな部分仕上げにいたるまで、
記憶の「継承」をキーワードにデザインを進めます。

丘を開発してまっさらなキャンパス計画を進めている学校もありますが、
ここには、歴史を重ね、丁寧に保守されてきた建物群と環境があります。
整合されていない場所や空間も多くありますが、その隙間や無駄を
豊かなものに変換していく設計作業は宝探しのようで楽しいものです。
更地に新しい建物を考えるとき以上にわくわくする発見があります。
by yoshiaki_works | 2012-06-14 14:25 | 建築 | Comments(0)
ワークス 自由が丘
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東京に来たついでに自由が丘のワークス事務所に寄った。
舞さんは私が東京に来るのを忘れていたし、
事務所の鍵も忘れていて、
千恵さんがイベントごとで出社してないので、
事務所に入れず近所のスタバで仕事をしていた。
あいかわらずノマド(遊牧民)だった。
ワークスの看板と玄関をみてその日は帰った。

翌日、雨の中をもう一度自由が丘にまわった。
舞さんたちは現在設計中の割烹の施主打合せ中だった。

傾斜した窓ガラスに雨が流れ落ちて、
明るい4階のアトリエだった。

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佃煮を買って帰ろうと浅草に向かったが、
寝過ごして押上まで行ってしまった。
話題のタワーの真下の
日本一の人ごみにもまれて、
這々の体で浅草に着いた。
振り返ると、
雨に煙ったタワーは太い足元だけが見えていた。

浅草寺では漢数字の読めないインド美人に
吉のおみくじを引いてあげた。
僕らが引いたおみくじも吉だった。
ここではずっと以前に凶を引いた。
(その年の運が悪かったのかどうかを覚えていない)
by yoshiaki_works | 2012-06-10 14:20 | まち | Comments(0)
霧島国分のささき歯科
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竣工後の一年点検で訪ねた鹿児島国分のささき歯科は
竣工時に植えた樹々も葉を茂らせて
建物のまわりやアプローチには、医師のおばあさまが手を入れた
草花たちが活き活きとしていました。

設計させていただいた建物が愛されている様子を見るのが
私たちのいちばんの喜びです。

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by yoshiaki_works | 2012-06-04 11:44 | 建築 | Comments(0)