福永純三
大学時代の友人の奥さんから喪中を知らせる葉書が届いた.
友人本人が今年の夏7月14日に亡くなっていた.

学生生活5年間の半分くらいは彼と遊んでいたような気がする.
教養部入学直後のオリエンテーションで、
イケメンで背が高く、極端に長い脚にスリムのジーンズをはいて、
「クマタカ(熊高)から来た福永です.空手初段ですけど、心やさしいです.」
「450に乗ってます.」
と自己紹介した彼に教室ですぐに話しかけた.

当時は学生運動の影響で授業はほとんどなく、ノンポリの(非政治的な)僕らは、
HONDAの“CB450”と“CBM72”2台で九州のあちらこちらを走り回っていた.
一年生のときダンスパーティーで知り合った彼女ともよく一緒に遊んだ.
私より一年早く卒業して大手ゼネコンに就職した彼はその彼女と結婚した.

2004年、大分県天瀬での卒業30周年記念同窓会.
彼も大阪からきて、ゴルフをして、酒を飲んで、温泉に浸かった.
30年ぶり、昔のまま、夜ふけるまで語り合った.
「そらぁ、自分らしゅうない(おまえらしくない)!やめとけ!」
大阪府庁の現場監督も務めた彼は、相変わらず断定的だった.
理由を多く語らず、確信を持って断定する.
学生時代からの彼の小気味よい感覚は変わっていなかった.

「ヨンハン」HONDA CB450 Double Over Headcum Twinの
歯切れのいい排気音と振動がこの耳によみがえってくる.
彼のはにかんだような笑顔がこの目に浮かんで消えない.

あいつも箱の形が崩れにくいショートホープが好きだった.
by yoshiaki_works | 2010-11-14 14:19 |


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