幕末のロビンソン
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あとがきから

「人生も歴史もそのつどの偶発性で動いてゆくことを知らされたのはよい経験だったのかもしれない.所詮有限卑小な我々は、運命に振り回されながらも、にもかかわらず/だからこそ、強く深く生きるほかはない.この点でも漂民たちに学ぶことが多かった.そもそもなぜ私が漂流事例を調べだしたのかといえば、理科学生から哲学研究者へ転生し、勤め先で偶然始めたロビンソン物語とその変形譚の研究から、さらに探検、漂流の分野へ迷い込んだからである.思い起こせば転居・転校の連続であった(それゆえか『ひょっこりひょうたん島』に見入った)少年時代から、私の人生が漂流であり、サバイバルであった.さればこそ、この世の愚身から四次元時空間の宇宙塵に帰る旅立ちのときまで、ロビンソン魂を抱えてしっかり生きることにしよう.」

最後に献辞.妻真知子の慈愛に満ちた看護と助力なくして、私は生き抜くことはできず、この本は誕生しなかった.本書を捧げ感謝を表明する.

2010年晩夏

脊振のロビンソンと我が名呼ばれむ

峻岳院釈漂流居士   岩尾龍太郎


岩尾は夏に宇宙に帰った.
by yoshiaki_works | 2010-11-30 10:13 |


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