三つ歳がはなれた妹は、おふくろが九大病院でALSと診断されて、
その闘病生活に寄り添うために島に帰った。
おふくろの看病をしながら、島の社会福祉協議会の契約社員として、
介護の現場に身を置いて介護福祉士の資格を取った。
おふくろが亡くなってからも島にとどまり、高齢の親父と叔母の面倒を見ながら、
島中を訪問介護の仕事で飛び回っている。
「利用者さんのうちのそばの海岸にね、こんなすべすべの石ころがあるんよ。
何でかわからんけど、普通の海岸の玉石と違うて、ほんとにすべすべなんよ。
色もいろいろあってね、なでると気持ちのよかとよ。」
お盆の中日、風呂上がりに、拾ってきた石ころを並べてみせてくれた。